2011年07月05日
6月26日定例ゲーム
去る6月26日。
高浜銃工は、バトルシティ・ユニオンの定例ゲームに参加してきた。
定例会の参加者は総勢80名ほど。
高浜銃工は、後輩メンバーを合わせて12人が集まった。


バトルシティユニオンは、開けたフィールドに建物や廃車等が設置された、市街地戦を体験できるフィールドだ。
広々として見晴らしがよく、敵の発見率が高いため、そこここで撃ち合いが頻発する良フィールドである。
バトルシティユニオンの詳しいフィールド解説、定例ゲームの内容などは、3月2日の記事とほぼ同一なので、そちらを参照してもらいたい。
今回の定例会では、隊長の発案でチーム初の試みを行ってみたので、そちらを紹介したい。

高浜銃工のメンバーは午前中のゲームを終えると、昼食もそこそこに、見学エリアに上ってフィールドを見渡した。
バトルシティユニオンには、フィールドとセーフティゾーンを隔てる壁の二階部分に見学エリアがあり、そこからフィールドを見渡すことができるのだ。
ちなみにこの見学エリア、アクリル板で防護されているため、ゲーム中であっても安心して見学することができる。
メンバーは、隊長を中心にして綿密な打ち合わせを行った。
昼食後に行われるセミオート戦において、チーム一丸となってフラッグをゲットするためである。
今まで、数人のメンバーが固まって行動したことはあったが、高浜銃工全員が、ひとつの目標に向かって進軍するのは初めての試みだ。
何せ高浜銃工のメンバーは、後輩組を加えると少ないときでも十人を超える大所帯だ。
これだけの人数で効果的に動くためには、綿密な打ち合わせは欠かせない。
打ち合わせの末に決まった作戦の概要を説明しよう。

赤い丸で示したあたりが、大まかなスタート地点である。
メンバーはゲームスタートと同時に、矢印の先にあるやぐらを目指す。
このやぐらは、一、二階ともに壁に囲まれた建物状になっている。ここを奪取してしまえば、安全に敵を警戒することが可能だ。
地上、二階という異なる目線から警戒できるため、敵の奇襲を見逃しにくいという利点もある。
しかしフィールド半ばに位置しているため、こちらがやぐらにたどり着くより先に、敵がやぐらを狙い撃てる位置にたどり着いてしまった場合、無防備に走っているところを一掃されてしまう危険も伴う。
こちらのメンバーが如何に早くやぐらにたどり着き、けん制に入れるかがポイントだ。

首尾よくやぐらにたどり着けたら、敵の進軍をけん制して足止めしつつ、各個撃破していく。
大人数でやぐらを奪取してしまえば、かなりの数の敵を安全に討ち取れるはずだ。
やぐらから狙い撃てる敵をあらかた倒した後は、矢印の方向に進軍する。
やぐらとその周囲に数人の味方を残し、援護を行いながらの慎重な進軍になるはずだ。

やぐらの先まで進軍すれば、敵地はもう目の前だ。
このあたりまで来ると、森側に進行した敵が引き返してきた場合、背後を取られる可能性があるため、前方だけでなく後方も警戒しなくてはならない。
この時点で、多方向を警戒できるだけの人数が残っているか否かが、大きなポイントとなるだろう。
敵地に突入する場合、ほぼ間違いなく敵の待ち伏せに遭う。
位置取りにしても人数にしても、先に展開して防御に徹している敵のほうが確実に有利だ。
そのため、ここでまた二手に別れる。
片方が敵陣地に射撃を加えて注意を引いているうちに、森側を迂回した方が速やかに敵の側面を叩くのである。
敵の側面を取ることができれば、フラッグは青い丸で示した地点、目と鼻の先だ。
この時点で十分な人数が残っていれば、威嚇射撃で敵防衛ラインの頭を抑えながら、隙を見てフラッグをゲットすることができるだろう。
これらの作戦概要を踏まえて、実際のゲーム内容をレポートしていく。

打ち合わせを終えて、ついに参加者がゲームフィールドに入った。
ゲーム開始直前まで、お互いに動きを確認し、意思疎通を図っている。

頻繁に言葉を交わしあいながらも、どこか張り詰めた空気の中で、ゲームスタートのコールが鳴り響いた。
「GO! GO!」
発破を掛け合いながら、競うように駆け出すチームメンバーたち。
抜きん出た数人がやぐらに駆け上り、けん制射撃を開始した。
敵からの応射はない。
こちらの進軍のほうが、敵の展開より早かったようだ。
無事、やぐらの奪取に成功した。

こうなると、後から展開してきた敵は、無防備な姿を晒すしかない。
やぐらからの容赦ない射撃が、次々に敵を討ち取っていった。
開始直後のダッシュと位置取りは、戦況を大きく左右する。
こちらのチームも、敵チームも、今まさにそれを痛感していることだろう。

しばらくすると敵も防衛ラインを形成し、やぐらに向けて散発的に攻撃してくるようになった。
じっと遮蔽物に身を潜め、時折、頭を出して射撃を加えてくる敵と、敵の位置を割り出し、狙いを定めて待ち伏せるやぐら側との間で、一進一退の攻防が続く。
少しずつ、こちらのチームにも被害が出てきた。
有利なやぐらを奪取したとは言え、無傷で倒されてくれるほど、敵も甘くはない。
今後の進軍に頭数が必要なこちらとしては、痛い損失だ。

しばらくして、敵防衛ラインからの射撃がやんだ。
数人の先発隊が、そっとやぐらを降りていく。
作戦を、次の段階に進めるためだ。
敵陣地の前まで、先発隊が援護しあいながら進軍していく。
やぐらに残った援護隊は、先発隊を狙って顔を出した敵防衛ラインの生き残りを、次々に討ち取っていった。

先発隊が、無事敵陣前にたどり着いた。
やぐらに残っていた援護隊も、先発隊と合流する。
ここから先は、正面にある敵陣地からの射撃と、背後の草原からの射撃の両方を警戒しながら進まなければならない。
先ほどのやぐらで思わぬ損失をこうむったチームメンバーだけで、役が足りるだろうか……?

そんな中、見慣れないプレーヤーが草原の警戒に当たった。
潜んでいた敵数人を、瞬く間に討ち取っていく。
やぐらの周囲からも、生き残ったプレーヤーたちが次々に集まってきた。
周囲のプレーヤーたちが、増援に駆けつけてくれたのだ。
定例会ならではの心強い援軍に、チームの士気も上がっていく。

敵陣地を前にして、慎重に進軍ルートをうかがう。
待ち伏せ覚悟で突撃を行うとはいえ、この場所から見える敵を減らしておくに越したことはない。

その間に、数人のプレーヤーが本隊を離れ、敵陣地に向かって散発的な射撃を始めた。
敵の注意を引いているのだ。

やがて、敵の気を引いている数人のプレーヤーが、本隊に指示を飛ばした。
「GO! GO! GO!」
ついに突撃のときだ。
まず草原を警戒していたプレーヤーたちが迂回ルートになだれ込み、高浜銃工のチームメンバーがそれに続く。
一時は心配された戦力不足も、増援に駆けつけてくれたプレーヤーたちのおかげで十分な人数になっている。
だが、迂回ルートに飛び込んだメンバーを、予想外の光景が待ち受けていた。

ブッシュが、深く生い茂っていた。
背丈を優に越えるブッシュは、射撃どころか視界さえ遮ってしまう。
どこで敵が待ち伏せているかわからない状況で、この視界の悪さは命取りだ。
地図を見ていただけるとわかるが、描き込まれているブッシュはそこまで深いものではない。
しかし、季節は夏。
梅雨の間に濃く大きく伸びたブッシュが、予想外の障害物となって目の前に立ちはだかったのだ。
このまま突撃を敢行するか、それとも、慎重に進む作戦に切り替えるか……。

ブッシュに飛び込み、突撃を敢行した。
あのまま慎重に進んでも、敵に防衛ラインを固められてジリ貧になる危険性が高い。
せっかくさっき、敵本陣の気をそらしてもらったのだ。
危険でも奇襲を敢行しなければ、せっかくの作戦が台無しになってしまう。

敵陣の守りは、想定していたよりずっと手薄だった。
それでもこちらの被害は少なくはなかったが、無事敵の側面に攻撃ラインを築くことができた。
増援のおかげで十分な人数がいたため、待ち伏せに対応できたのだ。

こちらの攻撃ラインと敵の防衛ラインが、激しく銃火を交える。
まだこちらの戦力は十分にいる。数人のプレーヤーがさらにもう一歩先の遮蔽物まで進み、敵に激しい射撃を加えた。
敵が頭を下げたのを見計らい、チームメンバーの一人がフラッグ目指して駆け出す。

取ったか!?
そのとき突然、破裂音が響いた。
チームメイトは、フラッグを取る寸前でヒットされてしまった。
いったい何が起きたのだろうか?

クレイモアだ。
敵チームは周到にも、フラッグの周囲にトラップを仕掛けていたのだ。
普段のゲームではなかなか見られない防衛策に、チームの足が鈍る。
第二、第三のトラップが仕掛けられている可能性も考えられるのだ。
なかなかフラッグアタックに乗り出せないメンバーたち。
しかし、ここで立ち止まっていては、早晩全滅させられてしまう。

「あと三分!」
アナウンスが響き渡った。
残り少ない制限時間を意識して、チームの攻撃が再び熱を帯びていく。
もはやトラップを警戒している時間も惜しい。
一人のプレーヤーが、フラッグの置かれたドラム缶に駆け寄った。

集中砲火が、フラッグめがけて降り注ぐ。
攻撃ラインに残ったメンバーたちが、フラッグアタックしたプレーヤーを必死に援護する。
フラッグアタックしたプレーヤーは、ドラム缶の裏に巧みに身を隠し、手をいっぱいに伸ばしてフラッグをつかんだ!

勝利のベルが鳴り響く。
フラッグゲット。作戦成功だ。
高浜銃工のメンバーがフラッグゲットできなかったのは残念だが、増援が駆けつけてくれなければ、ここまでたどり着けていたかも分からない。
素直に喜びあい、ハイタッチを交わす。

高浜銃工のチームメンバーと、名も知れないプレーヤーたちが、お互いの健闘をたたえあう。
こうして、チーム初の試みとなったフラッグゲット作戦は、無事成功したのである。
チーム単位で作戦を立てて動くという試みは、筆者個人的には非常に面白かった。
大人数で動くことで行動のバリエーションも増えるし、援護しあいながら進めるために作戦の成功率も高い。
何より大所帯で動いていると、少人数で戦っている周囲のプレーヤーが手を貸してくれて、いつの間にか戦力が増えている。
名も知らないプレーヤーとの共闘はサバゲの醍醐味だ。
ゲームを有利に進められて、たくさんの人と共闘できるのだから、これほど楽しいこともない。
ぜひまた、特に大人数で行う定例会に参加したいときなどは、積極的に作戦を立ててみたいと思う。
さて、高浜銃工の7月のゲームは、『フォレストユニオン』への定例会参加を予定している。
バトルシティと同じ系列のフィールドだが、こちらは森林、今回とはまた一味違ったゲームが楽しめることだろう。
高浜銃工は、バトルシティ・ユニオンの定例ゲームに参加してきた。
定例会の参加者は総勢80名ほど。
高浜銃工は、後輩メンバーを合わせて12人が集まった。
バトルシティユニオンは、開けたフィールドに建物や廃車等が設置された、市街地戦を体験できるフィールドだ。
広々として見晴らしがよく、敵の発見率が高いため、そこここで撃ち合いが頻発する良フィールドである。
バトルシティユニオンの詳しいフィールド解説、定例ゲームの内容などは、3月2日の記事とほぼ同一なので、そちらを参照してもらいたい。
今回の定例会では、隊長の発案でチーム初の試みを行ってみたので、そちらを紹介したい。
高浜銃工のメンバーは午前中のゲームを終えると、昼食もそこそこに、見学エリアに上ってフィールドを見渡した。
バトルシティユニオンには、フィールドとセーフティゾーンを隔てる壁の二階部分に見学エリアがあり、そこからフィールドを見渡すことができるのだ。
ちなみにこの見学エリア、アクリル板で防護されているため、ゲーム中であっても安心して見学することができる。
メンバーは、隊長を中心にして綿密な打ち合わせを行った。
昼食後に行われるセミオート戦において、チーム一丸となってフラッグをゲットするためである。
今まで、数人のメンバーが固まって行動したことはあったが、高浜銃工全員が、ひとつの目標に向かって進軍するのは初めての試みだ。
何せ高浜銃工のメンバーは、後輩組を加えると少ないときでも十人を超える大所帯だ。
これだけの人数で効果的に動くためには、綿密な打ち合わせは欠かせない。
打ち合わせの末に決まった作戦の概要を説明しよう。

赤い丸で示したあたりが、大まかなスタート地点である。
メンバーはゲームスタートと同時に、矢印の先にあるやぐらを目指す。
このやぐらは、一、二階ともに壁に囲まれた建物状になっている。ここを奪取してしまえば、安全に敵を警戒することが可能だ。
地上、二階という異なる目線から警戒できるため、敵の奇襲を見逃しにくいという利点もある。
しかしフィールド半ばに位置しているため、こちらがやぐらにたどり着くより先に、敵がやぐらを狙い撃てる位置にたどり着いてしまった場合、無防備に走っているところを一掃されてしまう危険も伴う。
こちらのメンバーが如何に早くやぐらにたどり着き、けん制に入れるかがポイントだ。

首尾よくやぐらにたどり着けたら、敵の進軍をけん制して足止めしつつ、各個撃破していく。
大人数でやぐらを奪取してしまえば、かなりの数の敵を安全に討ち取れるはずだ。
やぐらから狙い撃てる敵をあらかた倒した後は、矢印の方向に進軍する。
やぐらとその周囲に数人の味方を残し、援護を行いながらの慎重な進軍になるはずだ。

やぐらの先まで進軍すれば、敵地はもう目の前だ。
このあたりまで来ると、森側に進行した敵が引き返してきた場合、背後を取られる可能性があるため、前方だけでなく後方も警戒しなくてはならない。
この時点で、多方向を警戒できるだけの人数が残っているか否かが、大きなポイントとなるだろう。
敵地に突入する場合、ほぼ間違いなく敵の待ち伏せに遭う。
位置取りにしても人数にしても、先に展開して防御に徹している敵のほうが確実に有利だ。
そのため、ここでまた二手に別れる。
片方が敵陣地に射撃を加えて注意を引いているうちに、森側を迂回した方が速やかに敵の側面を叩くのである。
敵の側面を取ることができれば、フラッグは青い丸で示した地点、目と鼻の先だ。
この時点で十分な人数が残っていれば、威嚇射撃で敵防衛ラインの頭を抑えながら、隙を見てフラッグをゲットすることができるだろう。
これらの作戦概要を踏まえて、実際のゲーム内容をレポートしていく。

打ち合わせを終えて、ついに参加者がゲームフィールドに入った。
ゲーム開始直前まで、お互いに動きを確認し、意思疎通を図っている。

頻繁に言葉を交わしあいながらも、どこか張り詰めた空気の中で、ゲームスタートのコールが鳴り響いた。
「GO! GO!」
発破を掛け合いながら、競うように駆け出すチームメンバーたち。
抜きん出た数人がやぐらに駆け上り、けん制射撃を開始した。
敵からの応射はない。
こちらの進軍のほうが、敵の展開より早かったようだ。
無事、やぐらの奪取に成功した。

こうなると、後から展開してきた敵は、無防備な姿を晒すしかない。
やぐらからの容赦ない射撃が、次々に敵を討ち取っていった。
開始直後のダッシュと位置取りは、戦況を大きく左右する。
こちらのチームも、敵チームも、今まさにそれを痛感していることだろう。

しばらくすると敵も防衛ラインを形成し、やぐらに向けて散発的に攻撃してくるようになった。
じっと遮蔽物に身を潜め、時折、頭を出して射撃を加えてくる敵と、敵の位置を割り出し、狙いを定めて待ち伏せるやぐら側との間で、一進一退の攻防が続く。
少しずつ、こちらのチームにも被害が出てきた。
有利なやぐらを奪取したとは言え、無傷で倒されてくれるほど、敵も甘くはない。
今後の進軍に頭数が必要なこちらとしては、痛い損失だ。

しばらくして、敵防衛ラインからの射撃がやんだ。
数人の先発隊が、そっとやぐらを降りていく。
作戦を、次の段階に進めるためだ。
敵陣地の前まで、先発隊が援護しあいながら進軍していく。
やぐらに残った援護隊は、先発隊を狙って顔を出した敵防衛ラインの生き残りを、次々に討ち取っていった。

先発隊が、無事敵陣前にたどり着いた。
やぐらに残っていた援護隊も、先発隊と合流する。
ここから先は、正面にある敵陣地からの射撃と、背後の草原からの射撃の両方を警戒しながら進まなければならない。
先ほどのやぐらで思わぬ損失をこうむったチームメンバーだけで、役が足りるだろうか……?

そんな中、見慣れないプレーヤーが草原の警戒に当たった。
潜んでいた敵数人を、瞬く間に討ち取っていく。
やぐらの周囲からも、生き残ったプレーヤーたちが次々に集まってきた。
周囲のプレーヤーたちが、増援に駆けつけてくれたのだ。
定例会ならではの心強い援軍に、チームの士気も上がっていく。

敵陣地を前にして、慎重に進軍ルートをうかがう。
待ち伏せ覚悟で突撃を行うとはいえ、この場所から見える敵を減らしておくに越したことはない。

その間に、数人のプレーヤーが本隊を離れ、敵陣地に向かって散発的な射撃を始めた。
敵の注意を引いているのだ。

やがて、敵の気を引いている数人のプレーヤーが、本隊に指示を飛ばした。
「GO! GO! GO!」
ついに突撃のときだ。
まず草原を警戒していたプレーヤーたちが迂回ルートになだれ込み、高浜銃工のチームメンバーがそれに続く。
一時は心配された戦力不足も、増援に駆けつけてくれたプレーヤーたちのおかげで十分な人数になっている。
だが、迂回ルートに飛び込んだメンバーを、予想外の光景が待ち受けていた。

ブッシュが、深く生い茂っていた。
背丈を優に越えるブッシュは、射撃どころか視界さえ遮ってしまう。
どこで敵が待ち伏せているかわからない状況で、この視界の悪さは命取りだ。
地図を見ていただけるとわかるが、描き込まれているブッシュはそこまで深いものではない。
しかし、季節は夏。
梅雨の間に濃く大きく伸びたブッシュが、予想外の障害物となって目の前に立ちはだかったのだ。
このまま突撃を敢行するか、それとも、慎重に進む作戦に切り替えるか……。

ブッシュに飛び込み、突撃を敢行した。
あのまま慎重に進んでも、敵に防衛ラインを固められてジリ貧になる危険性が高い。
せっかくさっき、敵本陣の気をそらしてもらったのだ。
危険でも奇襲を敢行しなければ、せっかくの作戦が台無しになってしまう。

敵陣の守りは、想定していたよりずっと手薄だった。
それでもこちらの被害は少なくはなかったが、無事敵の側面に攻撃ラインを築くことができた。
増援のおかげで十分な人数がいたため、待ち伏せに対応できたのだ。

こちらの攻撃ラインと敵の防衛ラインが、激しく銃火を交える。
まだこちらの戦力は十分にいる。数人のプレーヤーがさらにもう一歩先の遮蔽物まで進み、敵に激しい射撃を加えた。
敵が頭を下げたのを見計らい、チームメンバーの一人がフラッグ目指して駆け出す。

取ったか!?
そのとき突然、破裂音が響いた。
チームメイトは、フラッグを取る寸前でヒットされてしまった。
いったい何が起きたのだろうか?

クレイモアだ。
敵チームは周到にも、フラッグの周囲にトラップを仕掛けていたのだ。
普段のゲームではなかなか見られない防衛策に、チームの足が鈍る。
第二、第三のトラップが仕掛けられている可能性も考えられるのだ。
なかなかフラッグアタックに乗り出せないメンバーたち。
しかし、ここで立ち止まっていては、早晩全滅させられてしまう。

「あと三分!」
アナウンスが響き渡った。
残り少ない制限時間を意識して、チームの攻撃が再び熱を帯びていく。
もはやトラップを警戒している時間も惜しい。
一人のプレーヤーが、フラッグの置かれたドラム缶に駆け寄った。

集中砲火が、フラッグめがけて降り注ぐ。
攻撃ラインに残ったメンバーたちが、フラッグアタックしたプレーヤーを必死に援護する。
フラッグアタックしたプレーヤーは、ドラム缶の裏に巧みに身を隠し、手をいっぱいに伸ばしてフラッグをつかんだ!

勝利のベルが鳴り響く。
フラッグゲット。作戦成功だ。
高浜銃工のメンバーがフラッグゲットできなかったのは残念だが、増援が駆けつけてくれなければ、ここまでたどり着けていたかも分からない。
素直に喜びあい、ハイタッチを交わす。

高浜銃工のチームメンバーと、名も知れないプレーヤーたちが、お互いの健闘をたたえあう。
こうして、チーム初の試みとなったフラッグゲット作戦は、無事成功したのである。
チーム単位で作戦を立てて動くという試みは、筆者個人的には非常に面白かった。
大人数で動くことで行動のバリエーションも増えるし、援護しあいながら進めるために作戦の成功率も高い。
何より大所帯で動いていると、少人数で戦っている周囲のプレーヤーが手を貸してくれて、いつの間にか戦力が増えている。
名も知らないプレーヤーとの共闘はサバゲの醍醐味だ。
ゲームを有利に進められて、たくさんの人と共闘できるのだから、これほど楽しいこともない。
ぜひまた、特に大人数で行う定例会に参加したいときなどは、積極的に作戦を立ててみたいと思う。
さて、高浜銃工の7月のゲームは、『フォレストユニオン』への定例会参加を予定している。
バトルシティと同じ系列のフィールドだが、こちらは森林、今回とはまた一味違ったゲームが楽しめることだろう。
タグ :サバゲ記録バトルシティユニオン