2011年03月04日
【コラム】Vホップ考察
Vホップ、というホップシステムがある。
ホップパッキンの弾が触れる部分に逆V字の切込みを入れることで、ホップアップを安定させるシステムである。
PDIから発売された二点保持ホップパッキン『Wホールドチャンバーパッキン』を入手したので、以前復活させたG3に組み込んでみた。
以下、その結果と考察である。
『Wホールドチャンバーパッキン(以下Vホップ)』を組み込むに当たって、より二点に均等に力がかかるよう、『Hホップ』を導入した。
『Hホップ』は、ホップを押し込む虫ゴムをH形のナイロン部品に替えることで、二点からホップを押せるようにするパーツである。
本来、ノーマルのホップパッキンを擬似的な二点ホップにするための『Hホップ』だが、Vホップパッキンとも相性がいいと考えたので組み込んでみた。
ノーマルの虫ゴムで押すよりも、綺麗に二点のゴムがせり出してくるのが目に見えて分かる。
さらに、Vホップはホップ強めのセッティングのほうが適しているので、以前、ホップが強すぎると言う理由で取り外した『ストライクチャンバー』も組み込んでみた。
さて、以上のパーツを組み込み、野外で試射を行ってみた。
まずノンホップ。以前ストライクチャンバーを組み込んだときとは違い、ホップはきちんと弱くかかった。フラットな弾道が伸びて、落ちる。
そしていよいよホップをかけて撃ってみた。
結果は、結論から言うと散々だった。
時折、すうっとまっすぐ伸びる素晴らしい弾道もあったが、5発撃ったら4発がフライヤーといった具合で、ホップがかかり過ぎたり、かからなかったりと、まったく安定性がない。
おかしい……。ホップが安定するのがVホップの売りのはずなのに、なぜこんなに弾道が乱れるのだろう?
風のせいだろうかとも思って、向きを変えて撃ってみたりもしたが、やはり駄目だった。フライヤーの連続だ。
時折現れる素直な弾道も、5発に1発では使い物にならない。
なぜだろうか。
Vホップ自体は、効果が実証されているホップシステムのはずだ。
Vホップパッキンを、硬質なパーツで二箇所から押す、というシステムは、命中率に定評のあるVSR-10とほぼ同じのはず。
なのに、なぜG3ではここまでばらけるのか……?
G3とVSRを違いを考えてみて、そういえば、と思うことがあった。
発射時のノズル位置だ。
Vホップは、『二点保持ホップ』などと呼ばれるせいで誤解されがちだが、二点で弾を保持するシステムではない。
Vホップとは、二点のホップと、弾を押すノズルの三点で弾を保持することで、安定したホップをかけるシステムなのだ。
たとえば、野球の玉を二本の指でどんなにきつく握っても、玉は横に回転してしまう。
しかし、三本の指で押さえれば、玉は回転せずにきっちり保持することができるだろう。
Vホップも同じ原理で、二点のホップとノズルの三本指で弾を保持して初めて、安定したホップが生み出せるのである。
VSRのようなエアコッキングガンなら、チャンバー内のノズル位置は必ず一定だ。
二点のホップゴムとノズルで、しっかり弾を保持して、発射できる。
しかし電動ガンは違う。電動ガンのノズルはモーターの回転とともに絶えず前後し、弾が発射される際、常に一定の位置にあるわけではない。
ノズルとホップが三点で弾を保持する場合もあれば、撃ち出された弾がつまずき気味にホップパッキンにぶつかる場合もある。
ノズルがきちんと前進し、弾をホップゴムに押し付けていなければ、Vホップは性能を発揮することができない。
むしろ、硬質な押しパーツと中央への力の逃げがある二点保持ホップは、弾がつまずき気味にぶち当たると、ぶち当たった箇所によってホップのかかり方がばらばらになってしまう。
フライヤーが頻発したり、時折、素晴らしい弾道が出てくるのはこのためだ。
ノズルが前進しきらないまま弾が発射された場合、弾のつまずき方によってホップは強くなったり弱くなったりする。一方、偶然ノズルが前進しきった状態で弾が発射されたときには『三点保持』が達成され、素晴らしい弾道が現れる、と言うわけだ。
しかし、マルイの電動ガンは構造上、発射時のノズル位置を一定にするのは非常に難しい。
『三点保持』をきちんと達成できないことには、Vホップの効果は発揮できないが、電動ガンでこの条件を達成するには、もっと大掛かりなカスタムが必要だろう。
ホップが安定しない原因が他にあるのかとも考え、ストライクチャンバーをノーマルに戻し、Hホップを、力の逃げが少ない太めのものに交換してみた。
以前の組み合わせよりは若干安定したが、フライヤーが減った分、時折現れていた素晴らしい弾道も現れなくなった。
ホップが安定したと言うより、Vホップの効果が薄れたために、フライヤーが減っただけのように思える。
やはり、不安定なホップの原因はノズル位置とVホップにあるようだ。
マルイさんがVSRでVホップを実用化しながらも、それを電動ガンに組み込まないのは、おそらく電動ガンとVホップの相性が悪いためだろう。
今回のVホップ考察で分かったことは、ノーマル電動ガンのホップに必要なのは不変的な安定性ではなく、どんなノズル位置で弾が飛び出しても、ある程度適正なホップがかけられる柔軟性だということだ。
結局、ノーマル電動ガンに最も適したホップは、切り欠きのないパッキン+軟質な押しゴム、ということになりそうだ。
さすが国産、きちんと考えられています。
おみそれしました……と、いったところだろうか。
ホップパッキンの弾が触れる部分に逆V字の切込みを入れることで、ホップアップを安定させるシステムである。
PDIから発売された二点保持ホップパッキン『Wホールドチャンバーパッキン』を入手したので、以前復活させたG3に組み込んでみた。
以下、その結果と考察である。
『Wホールドチャンバーパッキン(以下Vホップ)』を組み込むに当たって、より二点に均等に力がかかるよう、『Hホップ』を導入した。
『Hホップ』は、ホップを押し込む虫ゴムをH形のナイロン部品に替えることで、二点からホップを押せるようにするパーツである。
本来、ノーマルのホップパッキンを擬似的な二点ホップにするための『Hホップ』だが、Vホップパッキンとも相性がいいと考えたので組み込んでみた。
ノーマルの虫ゴムで押すよりも、綺麗に二点のゴムがせり出してくるのが目に見えて分かる。
さらに、Vホップはホップ強めのセッティングのほうが適しているので、以前、ホップが強すぎると言う理由で取り外した『ストライクチャンバー』も組み込んでみた。
さて、以上のパーツを組み込み、野外で試射を行ってみた。
まずノンホップ。以前ストライクチャンバーを組み込んだときとは違い、ホップはきちんと弱くかかった。フラットな弾道が伸びて、落ちる。
そしていよいよホップをかけて撃ってみた。
結果は、結論から言うと散々だった。
時折、すうっとまっすぐ伸びる素晴らしい弾道もあったが、5発撃ったら4発がフライヤーといった具合で、ホップがかかり過ぎたり、かからなかったりと、まったく安定性がない。
おかしい……。ホップが安定するのがVホップの売りのはずなのに、なぜこんなに弾道が乱れるのだろう?
風のせいだろうかとも思って、向きを変えて撃ってみたりもしたが、やはり駄目だった。フライヤーの連続だ。
時折現れる素直な弾道も、5発に1発では使い物にならない。
なぜだろうか。
Vホップ自体は、効果が実証されているホップシステムのはずだ。
Vホップパッキンを、硬質なパーツで二箇所から押す、というシステムは、命中率に定評のあるVSR-10とほぼ同じのはず。
なのに、なぜG3ではここまでばらけるのか……?
G3とVSRを違いを考えてみて、そういえば、と思うことがあった。
発射時のノズル位置だ。
Vホップは、『二点保持ホップ』などと呼ばれるせいで誤解されがちだが、二点で弾を保持するシステムではない。
Vホップとは、二点のホップと、弾を押すノズルの三点で弾を保持することで、安定したホップをかけるシステムなのだ。
たとえば、野球の玉を二本の指でどんなにきつく握っても、玉は横に回転してしまう。
しかし、三本の指で押さえれば、玉は回転せずにきっちり保持することができるだろう。
Vホップも同じ原理で、二点のホップとノズルの三本指で弾を保持して初めて、安定したホップが生み出せるのである。
VSRのようなエアコッキングガンなら、チャンバー内のノズル位置は必ず一定だ。
二点のホップゴムとノズルで、しっかり弾を保持して、発射できる。
しかし電動ガンは違う。電動ガンのノズルはモーターの回転とともに絶えず前後し、弾が発射される際、常に一定の位置にあるわけではない。
ノズルとホップが三点で弾を保持する場合もあれば、撃ち出された弾がつまずき気味にホップパッキンにぶつかる場合もある。
ノズルがきちんと前進し、弾をホップゴムに押し付けていなければ、Vホップは性能を発揮することができない。
むしろ、硬質な押しパーツと中央への力の逃げがある二点保持ホップは、弾がつまずき気味にぶち当たると、ぶち当たった箇所によってホップのかかり方がばらばらになってしまう。
フライヤーが頻発したり、時折、素晴らしい弾道が出てくるのはこのためだ。
ノズルが前進しきらないまま弾が発射された場合、弾のつまずき方によってホップは強くなったり弱くなったりする。一方、偶然ノズルが前進しきった状態で弾が発射されたときには『三点保持』が達成され、素晴らしい弾道が現れる、と言うわけだ。
しかし、マルイの電動ガンは構造上、発射時のノズル位置を一定にするのは非常に難しい。
『三点保持』をきちんと達成できないことには、Vホップの効果は発揮できないが、電動ガンでこの条件を達成するには、もっと大掛かりなカスタムが必要だろう。
ホップが安定しない原因が他にあるのかとも考え、ストライクチャンバーをノーマルに戻し、Hホップを、力の逃げが少ない太めのものに交換してみた。
以前の組み合わせよりは若干安定したが、フライヤーが減った分、時折現れていた素晴らしい弾道も現れなくなった。
ホップが安定したと言うより、Vホップの効果が薄れたために、フライヤーが減っただけのように思える。
やはり、不安定なホップの原因はノズル位置とVホップにあるようだ。
マルイさんがVSRでVホップを実用化しながらも、それを電動ガンに組み込まないのは、おそらく電動ガンとVホップの相性が悪いためだろう。
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結局、ノーマル電動ガンに最も適したホップは、切り欠きのないパッキン+軟質な押しゴム、ということになりそうだ。
さすが国産、きちんと考えられています。
おみそれしました……と、いったところだろうか。
CYMA製AIMSレビュー
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ちなみに自分はゲームやる際はハンドガンやボルトアクションのスナイパーライフル以外は0・2と0・25を混合させて使います。(どちらか一つに規制されてる場合は統一しますが)ここでも指摘されてる通り30メートル以上はバラつきが目立ちますが、それ以内の距離で射つ分は正確に狙えますし、弾が散らばるコトでブッシュ・バリケード内の敵に与える影響は効果的です。
単にカスタムに使う金が無いのを腕と小細工で乗り切ってるだけなんですけどね(^_-)
考察ありがとうございます。
自分も、前に、甘口ナマコとHホップの組み合わせを試したんですが、余り芳しくなかったです。
勿論、こんなしっかりとした事は考えてませんでしたが。
とても参考になりました。
0.2と0.25の混合ですか!
考えたこともなかったですが、良いですねぇ!
エアガンの整備をしていると、全体的な命中率の高さばかりを追い求めてしまいがちですが、着弾が散ることの利点というものもあるんですよね。
LMGなんかで採用したら、かなり効果的な弾幕が張れそうです。
はじめまして!
なるほど、甘口ナマコ+Hホップの組み合わせも、あまりよくなかったのですか。
貴重な情報、ありがとうございます!
やはり、電動ガンのホップにはある程度の柔軟性が必要なんですかねぇ。
電動ガンで柔軟性のないホップを採用するためには、それを見越した各部の調整が必須のような気がします。
MC51(内部高耐久仕様)にはマルイノーマルパッキン+Hホップ白+ストライクチャンバーで良い感じです。
流速仕様にはルーズバレル+後はノーマルが一番良いですね(^-^ゞ
お試しくださいm(__)m
それはまだ試してなかったですねー。
情報ありがとうございます!
流速使用、最近流行ってますよね!
興味あります。
やってみようかなー。